「会長はその、なんじゃ。チョコレートは作らぬのか」
「買うことならありますが」
「お菓子作りは?」
「卵すら割ったことはありませんけど」
さすがにこれには驚いたのか、南雲くんも赤崎真衣さんもあたしを見る。
ここで馬鹿正直に言うのも何かとは思うけど、料理を作ることに関しては一ミリたりともやったことがない。
白零女学院は奥方を育てるためのところ。
奥方は厨房には立たせない。
嫁ぐのはそういうところ。
その代わり食べ物の見た目、食感、味、香りなど、味覚、嗅覚、視覚などはかなり鍛えられた。
「それは女性としてどうなのかしら」
勝ち誇った笑みを浮かべながら彼女はいう。



