ちなみにあたしの住まいまでは、管理職用のエレベーターでしか行けないようになっている。

しかもホテルマップには載っていない場所にあるのだが、理由としては、ホテル従業員ではない東雲家の使用人がたくさんいるからで、その敷地部分だけは東雲家の居住スペースにもなっているからだ。



ホテルにお金をかけてあるだけあって、ホテル内から行くとなれば初めてきた人には迷子になるであろう場所。




支配人がいるであろう、高層階にはどう頑張っても階段でいくのには時間と余力がいる。




「お疲れ様です」

「状況は?」

「問題なく」

「そう。で、要件は」

「凛様、先日のお客様で日にちを変更したいとのご連絡があり、ちょうど良きタイミングでキャンセルがあったので予約を取らせていただきました」

「偶然ね。何日」

「今月の14日です」

「で、そのお客様とは?」

「ーーーーー」