元々社交的なお姉ちゃんがみんなと馴染むのは早かった。
馴染む、というよりは、懐に入るって言った方があってるのかも。
お姉ちゃんはあたしの何倍も賢いから、人の懐に入り、相手をおとしいれる術をもっている。
それは仕事にも私生活にも活用されてるけど…。
「あ、君はなんて名前なのー?」
お姉ちゃんはついに、南雲くんのところまで行ってしまった。
あたしの姉だからなのか、滅多に女の子を近づけない南雲くんなのに、ソファーに座り肩同士が触れそうなところまで接近してる。
なんか、ちょっと…。
モヤモヤってする。
「南雲結衣」
「あっ、へぇ…南雲結衣くん」
「何か?」
「南雲って、あの南雲だよね?」
たぶんお姉ちゃんは、一瞬にして気づいた。
この南雲くんは、あの南雲であることを。



