「ーーえっ?」
当然と仁くんが言った言葉に、耳を傾ける。
「仁くん…」
「昔、俺も助けられた」
「え、」
「結衣に」
仁くんは、側にある椅子に座り直し、あたしの方をみる。
「ーー俺は昔、いじめられっ子だったんだ」
「えぇ!?」
「体が小さくて、家が武道家なのに体力もなくて、弱くて…。だから周りからいじめられてた。青嵐の幼稚園生だった頃かな」
「青嵐…」
青嵐でいじめって考えられないけど、たぶんいじめの種類が違うんだろう…。
青嵐の生徒にとって、武道家の子供なら強くて当たり前と思っているだろうし。
むしろ青嵐というのはなにも秀でてない人が行けるような学校ではない、幼稚園だったとしても。
仁くんは武道家の息子なんだから、仁くんも強くて当たり前と思われていたのかもしれない。



