ーーパタンと、閉じられた扉。



取り残されたあたしと、茅野くん。



ずるい、ほんと。


なんでもそつなくこなしてる南雲くんが、ほんとずるい。



あたしはたくさん足掻いて、足掻きまくってるのに、なんでこうも南雲くんはあっさりとこなしちゃうんだろう。



「ずるいなぁ…」



あたしは、足掻いても、"自由"を手に入れることはできなかった。



今でも、自由になれないってことはわかってる。



だけど、



「自由になりたいなぁ…」




少しでもいいから、東雲とは離れた、外の世界にいきたい。



もっと、いろんな世界をみてみたかった。




「自由になりたいなら、早く俺に堕ちればいい」

「っ…!?」



不意に後ろから抱きしめられる。



「なぐっ…」

「早く俺に堕ちてよ」