「何か持ちますか」
「え?」
突然かけられた声にビクッとして振り返ると、寺島颯斗がいた。
そうだ、手伝ってもらうんだよね。
「あー…。じゃあすいません、お言葉に甘えてこれをお願いします」
置き勉してるため軽いスクールバックを渡そうとすると、それを無視して服の入った思いボストンバッグを持ってくれた寺島颯斗。
え、めっちゃいい人じゃん。
告白だかなんだかは知らないにして、こういうことを自然にできる人は結構好きだ。
「ありがとう…ございます」
「同い年だろ。ていうか隣の席なんだからもっと軽くていいよ。敬語なしで。颯斗って呼んで」
「…え!?あ、あ、はい。私のことは薫子でもなんでも…」
「わかった」
そう軽く返事をして家へ入って行く颯斗。
なんかイメージと違って結構フレンドリーな気がするんだけどな。
