「グスッ、とりあえず財布とアルバムだけ取って逃げた。今夜はホテルにとまろう・・・」
「そうだね。これからはどうするの。お金だって毎日ホテルに泊まり続けるほどないでしょう?」
「うん・・・。あっ、お父さんの大親友、お金持ちなんだ。家が見つかるまで泊まらせてもらえるよう頼んどくよ」
「迷惑でしょ?」
「うーん、でも薫子にも会いたがってたし最近は連絡とってないけど前は遊びに来いってうるさかったから少しくらいならOKしてくれると思う」
そう言いながら電話をかけるお父さんを置いて、今夜のホテルを探しに駅の方へと歩き出す。
たしかビジネスホテルがあったはず。
後ろからついてくるお父さんを確認して、その後ホテルを見つけた私たちは一晩、ホテルで過ごした。
