自分でもびっくりするほど震えた声に、フードの下から覗く口元がまた、ふっと上がった。
「……ん(笑)ありがと。」
笑われてる……
恥ずかしい////
真っ赤になってるであろう顔を見られないように、黙って俯いた。
なのにふわっと空気が動き、すぐそこでみずみずしいみかんの香りがしたかと思うと、ぽんぽんって優しく頭を撫でられた。
「……ごめん。笑ったらやだった?」
「////!!」
触れられたところが熱くてじんじんする。
もっと真っ赤になっちゃうよ////
「い、ぇ……。大丈夫ですっ……////」
「……そか。……うん。じゃあまたね。」
そう言って、いつも通り300円をカウンターに置いて、その人は出て行った。
私は火照った頬を隠すように両手で包み込んで、ぎゅっと目を瞑った。
「こーこーなー。戻っておいで?」
秋ちゃんの楽しそうな声も、少しの間私の耳には全く入らなかった。


