フードの中の君





毎週楽しみにしていた日曜日なのに、私の心は霧がかかったみたいに晴れない。




どうすればまた、和真くんと笑い合える……?


それとも、これからも仲良くなんて考えてる私が甘い?






ぼーっとしながら自転車を走らせていた。


風に揺られて、今にも折れてしまいそうなほど茎をしならせるお花が、なんだか悲しい。


どこを見ても淀んでいる景色が、空の灰色に飲み込まれているように見えた。






海に着くといつものように自転車を木の影に停め、トートバックを肩からかけた。


砂浜を踏みしめる足に力が入る。


なんとなく前を見れなくて俯いていると、すぐ隣でふわっと空気が動いた。


それと共に、大好きなみかんの香りが鼻をくすぐった。