「……かずま。」
「……え?」
「かずまって呼んで?」
ちょっと甘えたような声でそんなこと言われたら、うんとしか言えないよ////
「……かず、ま////」
「……ん。これからもよろしくね。」
満足したように笑うと、かずまは席を立った。
じゃっと言って、いつも通りカウンターに300円を置いて。
傘立てから傘をとってドアの向こうに消えていく後ろ姿を、ぼーっとしながら見つめていた。
何かに引きつけられているみたいに、目が離せない。
「おーい。大丈夫?笑」
秋ちゃんに肩を揺すられても、私は少しの間動けなかった。


