玄関を出てすぐ前に停まっていた父の車は、以前のものとは違う車種になっていた。
スポーツタイプの高級車だったはずだけど、今日のはファミリータイプのワゴン車だ。
後部座席に促され乗り込むと、助手席に女の人が座っていた。
「こんばんは。初めまして。」
振り返ったこの人に会うのは2回目だ。
正確には「会う」のがじゃなくて「見る」のが2回目なのだけれど。
2年前、食器を割ってしまった私は母に家から追い出され、裸足で家の周りをウロウロしていた。
玄関の鍵を閉められてしまったこの状況で家に入るには、父の帰りを待つ他ない。
寒くて寒くて、早く父が帰って来ないかと震えながら待っていた。
待ちきれなくて、父の会社へ向かって歩くことにした。とにかく寒くて。理由はそれだけだった。
知り合いに見つかればまた母に叱られる。私は人の少ない裏道を選んで歩いた。
途中にあるイタリアレストランの裏にさしかかった時、父のと同じ車を見つけた。黒いレクサス。
まさかとは思ったけれど、ナンバーを確認したら父の車に間違いなかった。
走って近づいて、声をかけようと思った。
けれど、車にいたのは父だけではなかった。
父は、母じゃない女の人と、キスをしていた。
その時の相手が、今助手席に座るこの髪の長い女の人だった。
スポーツタイプの高級車だったはずだけど、今日のはファミリータイプのワゴン車だ。
後部座席に促され乗り込むと、助手席に女の人が座っていた。
「こんばんは。初めまして。」
振り返ったこの人に会うのは2回目だ。
正確には「会う」のがじゃなくて「見る」のが2回目なのだけれど。
2年前、食器を割ってしまった私は母に家から追い出され、裸足で家の周りをウロウロしていた。
玄関の鍵を閉められてしまったこの状況で家に入るには、父の帰りを待つ他ない。
寒くて寒くて、早く父が帰って来ないかと震えながら待っていた。
待ちきれなくて、父の会社へ向かって歩くことにした。とにかく寒くて。理由はそれだけだった。
知り合いに見つかればまた母に叱られる。私は人の少ない裏道を選んで歩いた。
途中にあるイタリアレストランの裏にさしかかった時、父のと同じ車を見つけた。黒いレクサス。
まさかとは思ったけれど、ナンバーを確認したら父の車に間違いなかった。
走って近づいて、声をかけようと思った。
けれど、車にいたのは父だけではなかった。
父は、母じゃない女の人と、キスをしていた。
その時の相手が、今助手席に座るこの髪の長い女の人だった。
