「お前なぁ、遅刻したからって保健室来れば許されると思ってんのか?」

「うん。来ないよりは許されるかなって。」


「ったく。今日はダメだ。今からでも教室行け。」


「なんで!」

「今日出しておいた方がいい課題があんだろ?全クラスの担任から言われてんだよ。生徒が保健室にきたら、とりあえず連れて来いって。」


……やっぱり今日は来なきゃよかった。


「大丈夫だ。お前鼻声だし、今日は本当に風邪ひいてんだろ?俺も行って説明してやるよ。」


一応計れといわれた体温計で測った体温は、36.5度だった。


「……お前思いっきり平熱じゃん。まぁいいわ。上手く言ってやる。行くぞ。」






結局教室に連れて行かれて、少し担任と話をしてから先生は出ていった。





数週間ぶりの教室では、何やらパーティらしきものが開かれていた。


机は後ろへまとめられ、ピザとお菓子とパン、それからジュースが沢山並んでいる。


みんなそれぞれ好きなものをとって食べているらしい。




「今日は登校したみんなに先生からご褒美です。藤沢さんも、好きなものとって好きなとこで食べなさい。」



渡された紙皿を持って立ち尽くす。



私はこういうのは大嫌いだった。



みんなで仲良く好きなものを、好きな人と。



食べたいものなんてない。
一緒に食べたい人もいない。




ひねくれた私には、こんな子ども騙しのご褒美はウザいだけだった。




課題だけ教壇に提出し、帰ろうと再び鞄をしょった。



「よみ来てたん?風邪まだ治らん?」

後ろから声をかけられ立ち止まる。



振り向くと、大地が首を傾げて立っていた。