夏の夜は蒸し暑い。
街頭の少ない川沿いをゆっくりと歩いた。
鼻血を出しすぎたからか、暴れたからか、お腹が空いている。
少し回り道してコンビニに寄ることにした。
外が暗かった分、店内は眩しい。思わず目を細めた。
殆ど人も来ない深夜の田舎のコンビニにこんなに電気は必要あるのかと聞きたくなる。
おにぎりと麦茶を買って店を出た。
河原で食べようかな、なんて考えながら歩き出そうとした時、そばで声がした。
「あ?あの子…」
コンビニの裏から誰かがこっちを覗いている。暗くて顔はよく見えないが、髪が長いから女性だろう。
暫く立ち止まっていると、向こうから近づいてきた。
「あ……」
「あーやっぱりな。よ!こんなとこで何やってんの?てかそれより鼻どうした?喧嘩か?」
声をかけてきたのは川野さんだった。
「こんばんは。ちょっと怪我して病院行ってたとこです。」
答えると、痛そうだなと顔を歪めた。
「もう帰んのか?」
「いえ、お腹空いたんでおにぎり食べようかなと思ってました。」
「1人で?」
「はい。」
「女の子がこんな時間に1人じゃ危ないだろ。ちょっとこっち来いよ。」
そう行って出てきたコンビニの裏へ連れて行かれた。
ついて行くと、5人の男女が丸くなって弁当を食べていた。うち2人は煙草を吸っている。
みんな一斉に顔を上げる。
「渚、誰そのちっちゃい子。」
ちっちゃいとは私のことか。
「あたしの連れ。後輩だよ。」
紹介されて、頭を下げた。
「へぇ、お前に後輩とかいたんだ?びっくりー。」
「てかどうしちゃったのその服。誰か刺して来た?」
言われて初めて気づいたけれど、私のTシャツは鼻血で一面真っ黒に染まっていた。
「あ、これ鼻血ですね。」
「あ、これ鼻血ですねじゃねーよ(笑)今気づいたの?あんた面白いねー。」
ケラケラ笑われたけれどバカにされたような感じはしない。
川野さんは私を自分の隣に座らせると、煙草に火をつけた。
「ねぇねぇ、名前なんていうの?」
向かいに座っている赤毛の女子が聞いて来た。
「藤沢です。」
「下は?」
「よみです。」
「よみ?珍しい名前だねー。渚とはどういう関係なの?こいつが年下と仲良くすんの見たことないからさ。」
どう言おうか迷っていると、川野さんが口を開いた。
「いんだよそんなことどうでも。テメーらこの子に手だけは出すなよ。」
食べなと促され、私もおにぎりを開けた。
みんな自己紹介してくれたけど、学校はバラバラだった。
全員私より歳上で、でもすんなりと飛び入りの私を受け入れてくれた。
山口が言っていた暴走族のメンバーなのかどうかは分からないけれど、そんなに悪い人たちには見えない。
食事を終える頃にはみんな私を呼び捨てで呼んでいた。
「そろそろ帰ります。ありがとうございました。」
「また来いよ!」
「よみ夜道気をつけてねー!」
「バカかお前寒いギャグ飛ばしてんじゃねーよ」
「違うって!ガチで言ったらギャグになってたの!」
いつまでも賑やかな連中に手を振って別れた。
殆ど友だちと会話をしていなかった私にとって、なぜか泣きたいような温かい夜だった。
街頭の少ない川沿いをゆっくりと歩いた。
鼻血を出しすぎたからか、暴れたからか、お腹が空いている。
少し回り道してコンビニに寄ることにした。
外が暗かった分、店内は眩しい。思わず目を細めた。
殆ど人も来ない深夜の田舎のコンビニにこんなに電気は必要あるのかと聞きたくなる。
おにぎりと麦茶を買って店を出た。
河原で食べようかな、なんて考えながら歩き出そうとした時、そばで声がした。
「あ?あの子…」
コンビニの裏から誰かがこっちを覗いている。暗くて顔はよく見えないが、髪が長いから女性だろう。
暫く立ち止まっていると、向こうから近づいてきた。
「あ……」
「あーやっぱりな。よ!こんなとこで何やってんの?てかそれより鼻どうした?喧嘩か?」
声をかけてきたのは川野さんだった。
「こんばんは。ちょっと怪我して病院行ってたとこです。」
答えると、痛そうだなと顔を歪めた。
「もう帰んのか?」
「いえ、お腹空いたんでおにぎり食べようかなと思ってました。」
「1人で?」
「はい。」
「女の子がこんな時間に1人じゃ危ないだろ。ちょっとこっち来いよ。」
そう行って出てきたコンビニの裏へ連れて行かれた。
ついて行くと、5人の男女が丸くなって弁当を食べていた。うち2人は煙草を吸っている。
みんな一斉に顔を上げる。
「渚、誰そのちっちゃい子。」
ちっちゃいとは私のことか。
「あたしの連れ。後輩だよ。」
紹介されて、頭を下げた。
「へぇ、お前に後輩とかいたんだ?びっくりー。」
「てかどうしちゃったのその服。誰か刺して来た?」
言われて初めて気づいたけれど、私のTシャツは鼻血で一面真っ黒に染まっていた。
「あ、これ鼻血ですね。」
「あ、これ鼻血ですねじゃねーよ(笑)今気づいたの?あんた面白いねー。」
ケラケラ笑われたけれどバカにされたような感じはしない。
川野さんは私を自分の隣に座らせると、煙草に火をつけた。
「ねぇねぇ、名前なんていうの?」
向かいに座っている赤毛の女子が聞いて来た。
「藤沢です。」
「下は?」
「よみです。」
「よみ?珍しい名前だねー。渚とはどういう関係なの?こいつが年下と仲良くすんの見たことないからさ。」
どう言おうか迷っていると、川野さんが口を開いた。
「いんだよそんなことどうでも。テメーらこの子に手だけは出すなよ。」
食べなと促され、私もおにぎりを開けた。
みんな自己紹介してくれたけど、学校はバラバラだった。
全員私より歳上で、でもすんなりと飛び入りの私を受け入れてくれた。
山口が言っていた暴走族のメンバーなのかどうかは分からないけれど、そんなに悪い人たちには見えない。
食事を終える頃にはみんな私を呼び捨てで呼んでいた。
「そろそろ帰ります。ありがとうございました。」
「また来いよ!」
「よみ夜道気をつけてねー!」
「バカかお前寒いギャグ飛ばしてんじゃねーよ」
「違うって!ガチで言ったらギャグになってたの!」
いつまでも賑やかな連中に手を振って別れた。
殆ど友だちと会話をしていなかった私にとって、なぜか泣きたいような温かい夜だった。
