絶対に許さない。


彼女の言葉に嘘はなかったらしい。


翌週の朝の教室は、異様な雰囲気だった。



いつもなら誰かかれかがおはようと声をかけてくれるのに、今日は違う。


私が教室に入った途端、一斉にお喋りが止んだ。




みんなの視線が飛んできて、目が合うと気まずそうに逸らされる。



たまに声をかけてくる女子と目が合った。


「おはよう…?」

声をかけてみた。

彼女は困った顔をして、すぐに目を逸らされた。



その一瞬後。

まるで示し合わせたように、全員がお喋りを再開した。



何があったのか、すぐには理解できなかった。



混乱したまま席に着く。


そうだ、さやかは?





女子数人と話をしているさやかを見つけた。



「さや、おはよう。」


「あ………」



目を泳がせた後、やっぱりすぐに逸らされた。



傷つかなかったといえば嘘になる。

さやかに嫌われることなど、考えたこともなかった。




彼女の細い背中を見つめながら、呆然と立ち尽くした。