ウサギ小屋は中校舎の屋上にある。


セイコとオサムの2羽が、別々の檻の中でわしゃわしゃと動き回っていた。


鍵のかかった檻の前に座り込むと、柊も隣に腰を下ろした。


セイコがこっちに寄ってきて、フェンスから鼻先を出している。


「なんで2人別々の檻なのかな?寂しくないのかな?」

「寂しくないやろ。別々やけどフェンス越しに見えるし。」


それに、と柊は続けた。


「ウサギって寂しいと死んじゃうんやって。」

「そうなの?じゃあ元気そうだし、寂しくないんだね。」

「お前はどうなん。」

「え?」

なにが?と聞き返そうと口を開いた時には、既に肩を抱き寄せられていた。


反射的に突き飛ばそうとした腕はあっさり捉えられて。

「……お前は寂しくないん?俺はお前見てると辛い。」



セイコがじっと見つめる中、しばらく無言が続いた。



柊は本当は優しい奴なのかもしれない。

不器用で、雑で、でも温かい。



知らないうちに、そんな奴の隣が居心地の良い場所になってたんだと初めて気付いた。