最初は上履きにカナブンの潰れた死体が入っていた。


でもそれくらい、偶然入り込んだのかも。

最初はそう思うことができた。




次第にそれがゴキブリに変わり、画鋲に変わり、絵の具のチューブになった頃にはさすがに誰かが入れているのだと悟らないわけにはいかなかった。



「よみ今日なんでスリッパ?」

さやかに聞かれても、本当のことは言えない。

「上履き忘れちゃって。」

「またー?よみホントにドジっこだなぁ!」


さやかが流してくれることが何より救いだった。





誰かに恨まれていることは確実だろう。

日に日に嫌がらせはエスカレートした。


体操着に着替えようとして、ビリビリに割かれているのを見つけた。


急にお腹が痛くなったことにして、体育を休んだ。




犯人に心当たりはない。

誰がこんな馬鹿なことをしているのか、突き止めたい気持ちもあった。


でも何処かで知りたくないと思う自分もいる。



初めてのことだらけで、正直どうしていいのか分からなかった。