「てかなんで村木さん?」

「付き合ってないの?噂になってるよ。」

「マジで?いやー…村木さんはないだろ。可愛い顔して結構キツイのよ、あの人。」


「ふーん。」




まあ、先生が村木さんと出来ていようがいまいが私にはどうでもいいことなんだけど。



「で?お前はどうなの。」

「どうって何が。」

「彼氏いねーの?」

「いないよ。なんでそんなこと聞くの?」

「いねーのかよ。好きな奴は?俺恋愛相談のっちゃうよ?」

「他の女子にそれ言ってあげたら?」


こいつは多分いろんな女子にこんな台詞を振りまいてるんだろう。


密かにこいつを狙う生徒が可哀想に思えてくる。


「あのなぁ、俺けっこーお前のこと可愛がってやってると思うんだけど。なんでそんな冷てーのよお前は。」


はーあとため息をつかれた。


どう足掻こうがこれから5日間、2人で過ごさなきゃいけないんだからどうせなら仲良くした方がいい。

そう気持ちを切り替えて、いろいろ聞いてみることにした。



「ねぇ先生、先生はなんで保健の先生になったの?」

「うん?給料安定な上に楽だから。クーラー効いててクラスを受け持つ必要もねーし?楽ちん。」


聞いて損した気がするけどそこには触れないことにする。


「先生はさ、元チンピラなの?」

「あぁ?誰がだよ!俺は清く正しい聖職者だぞコラ。」

「大学出てすぐ先生になったの?」

「うん、まぁそうだな。こう見えてまだ24歳だから。」

「へぇ、10歳違いだね。あたしも10年したら先生みたいになるのかな…やだな。」

「おい聞こえてんぞ。」

「先生名前なんて言うの?」

「はぁ?知らなかったのかよ?青木先生だ覚えとけ!」

「うーん。じゃなくって、下の名前。」

「なんだお前。ついに俺に興味持ったか?健二だよ。健康の健に漢字の二。」


「ふーん。保健の先生っぽい名前だね。」

そう言うと、なんだそれと笑われた。