少しだけノブを引いて隙間からリビングを覗き見る。
テルさんと誠さんはゲームに夢中だから心配ない。
漫画を読んでる2人と、携帯をいじる2人も多分大丈夫。
ただ、この位置からだと太陽さんが見えない。
もしかしたらいないかも…!
うん、今なら大丈夫だ。
そっと扉を開けて、一目散にトイレに駆け込んだ。
大丈夫。多分誰も気づかなかった。
溜まった物を出し切ってスッキリしたら少し冷静さを取り戻した。
よし、後は戻るだけ。
素早くトイレから飛び出して、部屋へ戻ろうとした時。
廊下を塞ぐ太陽さんと対峙した。
「やっと起きたか。……なんか食うか?」
あれ以来初めてちゃんと向き合った太陽さんの綺麗な顔には大きなガーゼが貼られている。右目の上にはまだ血が滲んでいた。
「え、や……や、あ、あの、そろそろ帰ります!」
気が動転した私はそんなことを口走っていた。
くるりと背を向け玄関へと走り出した私は、けれどすぐに腕をつかまれ静止した。
「……あ、ダメです。触らないでくださ…」
「………。」
太陽さんは無言のまま、後ろ手に廊下の扉を閉めた。
2人きりになってしまった……ますますテンパる頭は使い物にならない。
「あの、…ごめんなさい……その…えと、あの……っ!」
慌てふためく私は突然ぎゅっと抱きしめられて、息をつまらせた。
ダメだ。太陽さんが…太陽さんまで腐ってしまう……
「ダメなんです!!」
大きな声が出て、自分で飛び上がった。
体を離した太陽さんが、私を覗き込む。
「どうしたんだよ……もう俺に触られるのが嫌か?」
「ちが、ちが……ちがくて……」
うまく言葉が出てこない。
太陽さんは何を言っているんだろう。
わけがわからなくなって、涙が溢れ出した。
「ダメで、でも、ちがくて、…あたし……あたし……」
「わかった。わかったから。」
体を離した太陽さんは、代わりに私の手を握った。
「わかった。何も言わなくていいから。部屋戻ろう。な?」
「…っでも!」
「落ち着くまで何も話さなくていいから。よみが出てきてくれるまで、俺も近づかない。な?それならいいだろ?」
諭すように言われて、コクンと頷いた。
手を引かれ、寝室に戻った私は再び一人になった。
どうしよう。どうすればいいんだろう。
うろうろと部屋を歩き回りながら、これからのことを考えた。
太陽さんは私が落ち着くまでここにいさせてくれるつもりのようだった。
でもきっと、必ず話をしなければならない時がやってくる。
ダメだ。怖い。
きっと本当は私を汚いと思っているのに、優しい彼はそんなこと絶対に言わないだろう。
ああもう嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ……
「…なにしてんの?」
前触れもなく扉が開いて、テルさんが現れた。
頭に包帯を巻いたテルさんは、手にピザの箱を抱えている。
「一緒に食べようよー。これ誠の奢りだから好きなだけ食ってok!あ、奢りっつってもカツアゲたんじゃないよ?あいつがゲームに負けたから正当な奢りなわけ。」
喋りながら扉を閉めると、ベッドの前に腰を下ろした。
「あーよみちゃん。俺さ、襲う気ゼロだから大丈夫だよ早く座んな。ごめんね俺巨乳にしか勃たないの。」
ポカンとする私を見上げてスウェットの裾を引っ張ってくる。
とりあえずその場に座ると、目の前にピザを突き出された。
「特別にあーんしてあげるよ。はい、口あけてー」
慌ててその手を制すると、気づいたらピザは私の手に移動していた。
「うんうん、じゃあいただきまーす。」
不本意にも受けとってしまったピザの耳を握って、呆然としていた。
「なになにやっぱあーんして欲しいの?しょうがないなぁ。はい、あー…」
再びもう一切れのピザが迫ってきて、急いで握っていた方をかじった。
「美味しい?」
頷くと満足げな笑みが返ってくる。
さっきからテルさんのペースに飲まれて、状況がよく理解できずにいた。
テルさんと誠さんはゲームに夢中だから心配ない。
漫画を読んでる2人と、携帯をいじる2人も多分大丈夫。
ただ、この位置からだと太陽さんが見えない。
もしかしたらいないかも…!
うん、今なら大丈夫だ。
そっと扉を開けて、一目散にトイレに駆け込んだ。
大丈夫。多分誰も気づかなかった。
溜まった物を出し切ってスッキリしたら少し冷静さを取り戻した。
よし、後は戻るだけ。
素早くトイレから飛び出して、部屋へ戻ろうとした時。
廊下を塞ぐ太陽さんと対峙した。
「やっと起きたか。……なんか食うか?」
あれ以来初めてちゃんと向き合った太陽さんの綺麗な顔には大きなガーゼが貼られている。右目の上にはまだ血が滲んでいた。
「え、や……や、あ、あの、そろそろ帰ります!」
気が動転した私はそんなことを口走っていた。
くるりと背を向け玄関へと走り出した私は、けれどすぐに腕をつかまれ静止した。
「……あ、ダメです。触らないでくださ…」
「………。」
太陽さんは無言のまま、後ろ手に廊下の扉を閉めた。
2人きりになってしまった……ますますテンパる頭は使い物にならない。
「あの、…ごめんなさい……その…えと、あの……っ!」
慌てふためく私は突然ぎゅっと抱きしめられて、息をつまらせた。
ダメだ。太陽さんが…太陽さんまで腐ってしまう……
「ダメなんです!!」
大きな声が出て、自分で飛び上がった。
体を離した太陽さんが、私を覗き込む。
「どうしたんだよ……もう俺に触られるのが嫌か?」
「ちが、ちが……ちがくて……」
うまく言葉が出てこない。
太陽さんは何を言っているんだろう。
わけがわからなくなって、涙が溢れ出した。
「ダメで、でも、ちがくて、…あたし……あたし……」
「わかった。わかったから。」
体を離した太陽さんは、代わりに私の手を握った。
「わかった。何も言わなくていいから。部屋戻ろう。な?」
「…っでも!」
「落ち着くまで何も話さなくていいから。よみが出てきてくれるまで、俺も近づかない。な?それならいいだろ?」
諭すように言われて、コクンと頷いた。
手を引かれ、寝室に戻った私は再び一人になった。
どうしよう。どうすればいいんだろう。
うろうろと部屋を歩き回りながら、これからのことを考えた。
太陽さんは私が落ち着くまでここにいさせてくれるつもりのようだった。
でもきっと、必ず話をしなければならない時がやってくる。
ダメだ。怖い。
きっと本当は私を汚いと思っているのに、優しい彼はそんなこと絶対に言わないだろう。
ああもう嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ……
「…なにしてんの?」
前触れもなく扉が開いて、テルさんが現れた。
頭に包帯を巻いたテルさんは、手にピザの箱を抱えている。
「一緒に食べようよー。これ誠の奢りだから好きなだけ食ってok!あ、奢りっつってもカツアゲたんじゃないよ?あいつがゲームに負けたから正当な奢りなわけ。」
喋りながら扉を閉めると、ベッドの前に腰を下ろした。
「あーよみちゃん。俺さ、襲う気ゼロだから大丈夫だよ早く座んな。ごめんね俺巨乳にしか勃たないの。」
ポカンとする私を見上げてスウェットの裾を引っ張ってくる。
とりあえずその場に座ると、目の前にピザを突き出された。
「特別にあーんしてあげるよ。はい、口あけてー」
慌ててその手を制すると、気づいたらピザは私の手に移動していた。
「うんうん、じゃあいただきまーす。」
不本意にも受けとってしまったピザの耳を握って、呆然としていた。
「なになにやっぱあーんして欲しいの?しょうがないなぁ。はい、あー…」
再びもう一切れのピザが迫ってきて、急いで握っていた方をかじった。
「美味しい?」
頷くと満足げな笑みが返ってくる。
さっきからテルさんのペースに飲まれて、状況がよく理解できずにいた。
