それから間も無くして、太陽はついに告白したらしい。



「俺、よみちゃんに告った。」

これから近くで暴れてるグループを潰しに行くというその道すがら、ボソッと呟いた。

今!?今それ言う?

まぁ、こいつは普段の喧嘩であんまり怒りで頭に血が上ることはないんだけど。


「返事は?」

「ok…だと思う。」

「んだよそれ。はっきりしねぇな。」

「男がいんだよ。」

「は?…はぁ!?」

いきり立つ敵の大群を前にして、俺は情けない声を上げてしまった。


「おい狩屋!てめぇ人の陣地に乗り込んで来てなにくっちゃべってんだ!」

相手の大将が怒鳴っている。

太陽はそれを一瞥すると、「始めんぞ」と声をかけた。

その一言で一斉に味方が走り出す。


喧嘩が始まっても俺は驚愕したままだった。


「よみちゃんに男?お前が遊ばれてんの?ありえねー…だろっ」

飛んできた拳を交わしながら適当に殴って脇に捨てる。


「いや、別れてる。二股かけられて捨てられたらしい。ただ…よみん中では忘れらんねーっぽい。……ってぇな糞!」


同じように敵を殴り倒しながら信じがたいことを言う。


「お前はそれで…いーの?…うりゃっ」

「いーわけ…ねーだろアホっ………んだオラ!?」

「本気なの?」

「本気。」

「そっか……ならいいんじゃね……遊んで捨てるには…ちょっと向かない」

「分かってる。遊びだったら告んねーよアホ。………うるっせーんだよてめーら!」






そっから太陽とははぐれてしまって、よみちゃんの話はそれっきりになった。





女に惚れられる太陽なら散々見てきた。

でも女に惚れた太陽を見るのは初めてで。

とりあえず俺はそれ以降、よみちゃんに近づかないことにした。




よみちゃんを捨てた男ってどんな奴なんだろ。ちょっとそこは興味があった。でもその話をすると太陽がガチキレる。


俺はノータッチで行こう……。



初めての恋心に悩む太陽を遠くで見守ることに決めた。