その日はたまたまよみちゃんと他2、3人しか溜まり場にいなかった。



喋ってみようかなぁ。




暇つぶしがてら、よみちゃんの隣に座った。





「………。」


よみちゃんはちょっと席を横にずれてくれたけど、やっぱり何も言わない。



じーっと観察していたらバチっと目があった。



「………。」


ちょっと困った顔をして、再び視線を逸らされてしまう。



なんか、加虐心を煽られる気がしないでもない。



「よみちゃんさぁ、彼氏いんの?」


ちょっといじめてみたくなって、聞いてみた。


「なんでそんなこと聞くんですか。」


ちっこい声で睨まれる。殆ど初めて聞く声に、感動すら覚えてしまう。



「よみちゃんって、うさぎ好き?」

「……ん?…好きですよ。」

「やっぱー?うさぎっぽいもん。んじゃさ、キャベツ好き?」

「……好きです。」

「マジでー。んじゃ、ニンジンは?」

「……あんまり…」

「えー。ニンジン食べないとおっぱい大きくなんないよー?」

「………成長期ですから。」



返してくれることが意外だったからか、俺は思いついたことをぽんぽん口にしていた。



「成長期ってことは将来巨乳希望?」

「……なんなんですか…」

「目指すはFカップ?とか?よみちゃんがFカップんなったら…なんかショックだな俺的に。」

「Fカップなんて目指してません。…ショックってどういうことですか…」

「んー。可愛いうさぎちゃんが急にグラマラスになったらなんか悲しいじゃん。清純派アイドルがいきなりヌード出しちゃった的な?」

「……お前じゃ勃たないってはっきり言ってもらって大丈夫ですよ。」

「え?違う違う!そういう意味じゃなくて!」




気がついたら会話は成立していて、思ったより面白い子だと分かった。



太陽が入れ込むのもなんとなく理解できてしまった。奴はこういう守ってあげたくなるようなタイプに弱い。本気なのかもな…ちょっと真剣にそう思った。