見られたくなかった。


こんな姿は。




絶望感に打ちひしがれて、抵抗する気力さえもう残っていない。





「早かったなぁ、狩屋。」


ベルトを締め直しながら、ホスト男が笑う。


「早すぎて食いそこなっちゃったじゃん。」


太陽さんの目が私を捉え、それから床に転がる勇太さんを見た。



再び私に戻ったその瞳は、見たことがない色をしていた。


目だけで人を殺してしまえそうなほど、冷たい目。


冷め切った灰色の瞳に、何人かが息を飲む。



「お前ら何やったか分かってんのか。」


地の底を這うような、低い押し殺した声がした。


ガタガタ震えているのが自分の身体だとわかるまで、私は金縛りにあったかのように動けないでいた。


「狩屋がほんとに女で釣れるとは思わなかったなぁ。お前どうしちゃったの?こんなガキのために引退?笑えるねぇ。」


「…黙れクソ。」


「俺はお前が嫌いで嫌いでさぁ。いつかブチのめしたいと思ってたの。分かる?」


ホスト男が鉄パイプを手にとった。


「お前が俺を紅蓮に入れてくんなかった屈辱。お前に分かる?お前なんかに蹴られたんだよ俺は。」



「知るかよ。ザコはいれねー主義なんだよ。」


「ふ…俺はもう、お前より強いよ?」





太陽さんがゆっくりと息を吐いた。


その瞳が、私を見据える。少し優しい色に変わった。



「よみ、俺がいいって言うまで目ぇつぶってられるか?何があってもだ。」


私は必死で頷いた。


太陽さんがニコっと笑う。


「うし、じゃあ目ぇ瞑って__」


言われた通り目を閉じる。


「___いい子だ。」


その直後、ものすごい叫び声が聞こえた。どたんばたんと何かが倒れる音も聞こえる。



「死ねゴルァ!」

「てめぇが死ね!」



複数の叫び声。呻き声。鉄パイプの転がる音……




いつの間にか私を拘束していた男たちもいなくなっている。








喧騒の中、



私はひたすら目を瞑って待った。


太陽さんの声をだけを。