私はただ一人、何も知らずにぬくぬくとこの居心地のいい場所に居座っていたことになる。




申し訳ない気持ちと、恥ずかしい気持ちとがごっちゃになった。



「それにしても引退とはなー。」


ため息を吐いて、俯いた。


「ずっと太陽さん見てきたからさ。よみちゃんに本気なんだなって、分かっちゃった。悔しいっつーか、もうちょっと追いかけていたかったって思うのが正直なとこだけど、太陽さんが決めたなら俺はなんも言えねぇ…。あぁでも、悪いけどよみちゃんの200倍は俺の方が太陽さん好きだかんね?」



悪戯っぽく笑って、勇太さんは立ち上がった。



「ちょーっと喋りすぎちゃったかなぁ。あんまり太陽さんに愛されてるから嫉妬しちゃったー。てへぺろ。」



笑いながら部屋を出て行く。



知らなかった。何も。




勇太さんだけじゃない。きっと太陽さんに憧れる多くの人間が、引退に衝撃を受けている。


私のせいなのだろうか…

私が引退を決めさせてしまったのだろうか…





暫くソファに座ったまま、動けずにいた。