それから10分ほどしてやっと迎えに来た勇太さんは、両手にいっぱいカラフルな包みを抱えていた。



校門を出ると早速、どれがいい?好きなのあげるーなんて言ってくる。


いつか勇太さんのファンに殺されそうな気がする…





溜まり場に着くと、机の上はチョコの山になっていた。


勇太さんだけじゃなく、みんなモテるらしい。


不良がモテるっていうのはあながち嘘ではないようだ。



「よみ!これ美味いぞ。食ってみろ。」

男どもに混じって、どっかの女子が愛を込めた手作りチョコを食べている渚さんも、なかなかかっこいいんだけど…


「見てるだけで鼻血出る……」


甘い匂いにむせて、ベランダに出た。



タバコに火をつける。

長い時間吸えなかった分、なかなかうまい。


「よみは甘いもん好きじゃないもんな?」

いつの間にか太陽さんも出てきて、隣に腰をおろした。


「あ、太陽さん。あたし家で手作りとかはできなかったんですけど。すいません。」


鞄の中から黒い箱を取り出して渡した。


驚いた顔をして、箱をしげしげと眺めている。


「なにお前、絶対なんにもくれないと思ってたよ…」


包みを開けて、中身を見てから再びびっくりした顔をする。


「ちょ、Zippoじゃん…」

「ライターなくしたって言ってたから。お小遣いで買ったから、安物ですけっ…」


言い終わる前に、がばっと抱きしめられた。


「お前全然顔に出ねーやつだな。昨日会った時もなんも言わねーし、絶対バレンタインなんて忘れてるか興味ねー女なんだと思ってたのに!」


「一応女の子ですから。」


笑ったら、馬鹿野郎って言われた。



「ありがとな。死ぬまで大事にする。」


「そんな歳まで持ちませんって。」


喜んでくれたことが嬉しくて。

この時はただ、照れ隠しで言っただけだった。