「次、2:2やるよー!」 笛の音と共に聞こえるキャプテンの声。 目の前ではサッカー部の部活が行われている。 掛け声を聞いてゴールを運び出す1年生に、適当にだらだら話しだす2、3年生。 辺りはそろそろ暗くなろうとしていた。 部ジャーに身をまとった私は、救急箱からストップウォッチを探し出す。 私はこの東映高校サッカー部のマネージャーを務めている。 「椎奈!ストップウォッチあったよー!」 マネージャーの一人の子が、一生懸命探す私にそう伝えた。