桜の花が舞散るのこの季節。

親友の綾美とこの門をくぐるのは3回目。
入試と結果発表の日とそして、今日。

この高校に私が合格できたのは、奇跡だと思う。
偏差値高くて(私にとって)、冬休みごろから毎日家庭教師つけてがんばった。

「柚依、早くしてー!」
「ごめんごめん。」
「まったく〜。入学式の日に遅刻なんてシャレにならないよ!」
「だから、ごめんて〜」
「はいはい。受付いこっか」
「うん。」

受け付けには背の高くてかっこいい男の人が立ってた。顔がうまく整ってるんだ。絶対、モテるタイプだな〜。
「入学式おめでとうございます。クラス表です。1年生は北館です。1組から5組までが2階、6組から9組、英語科が3階になってます。」
「ありがとうございます。柚依行こう。」
「…………」
「柚依?ゆーいちゃん」
「はっ⁉︎あ、わぁ!ごめん。」
「どうしたの?」
「な、なんでもない!」