「ねぇ、君の名前は??」
「・・・桐谷かれん。」
「桐谷さん、か。よろしく。」
私は軽く頭だけ下げる。
すると彼は笑いながら言った。
「無愛想だなぁ〜。嫌われちゃうよ?」
私はびっくりして顔をあげた。
「ウソ・・・。なんで・・・。」
「どうしたの??」
逆にびっくりしてる神田君。
だって、そのセリフ、俊哉君に言われたことあるから。
『無愛想だなぁ〜。嫌われちゃうよ?』
そっくりそのまま・・・。
『無愛想じゃないもん!』
『さっき、無愛想だったし!』
そんな何気無い会話を思い出す。
すると、
「桐谷さん、なんで泣いてんの?」
神田君が驚いた表情で言った。
「ウソ・・・。泣いてる?」
そして、触ってみてようやく気付く。
「泣いてる・・・ね。」
私は、顔を手で隠してその場から走って逃げた。


