帰り道、他愛のない話をしてると黒沢君が急に私の手を握った。


「えっ…黒沢君、手…」


「手?付き合ってるから当然だろ。
それともこっちの方がよかった?」



そう言って黒沢君は手の繋ぎ方を、
指と指を絡ませる繋ぎ方、つまり恋人繋ぎに変えた。



これって…こ、恋人…恋人繋ぎっ…!



顔の体温が上昇していくのがわかる。



「花咲、顔真っ赤。」


クスクスと笑いながら言う黒沢君。



「……真っ赤じゃないもん。」



真っ赤なくせになぜか素直になれない私。

そんなやり取りをしていると家に着いた。


「黒沢君、今日はありがと。じゃあね。」



そう言って家に入ろうとする。