「テメェ、なにやってんだよ。」 聞き慣れた低い声。 黒澤君の声だ。 「汚ねぇ手で触ってんじゃねーよっ!」 そう言って私の視界が揺れる。 そして気づいたらいつの間にか黒澤君に抱きしめられていた。 「そ、その子は僕のだっ! キミみたいなヤンキー君にその子はふさわしくないっ!」 そう言われて私の中でなにかが切れた。 「黒澤君、一回離して。」 「…?おぉ。」 とりあえず黒澤君に解放してもらう。 そして私は藤堂君の目の前まで歩いて行った。