「やっ!こないでっ…!」
「いいじゃん、ここで会えたのも運命だよ。」
ガシッと腕を掴まれる。
「やだっ!離してっ!」
藤堂君は中学3年生の頃、
私に告白してくれた人。
でも私は好きということがよくわからなくて、受験勉強を理由に断ったんだ。
私が受験勉強を理由にしたのが悪かったんだけどそれから、
藤堂君はなぜか私が藤堂君のこと好きだと思い込んでつきまとわれるようになった。
友達いわく、私のストーカー。
「いいじゃないか。受験も終わったんだから付き合おうよ。」
「ごめんっなさいっ!
藤堂君のこと好きじゃないの。」
「そんなはずないっ!
じゃあキミは他に好きな人がいる?」
「……いないよ。」
どうしてだろう。一瞬黒澤君の顔を思い出してしまった。
…黒澤君は友達なのに。

