やっぱなんか変だ、黒澤……直哉君。



「ねぇ、直哉君、お母さんとなにかあったの?」



私がそう聞くと直哉君は図星です。と言うように肩を揺らした。



「別に……」



強がってる。これだけは確実に言える。



「ねぇ、直哉君、素直になって。
私だって直哉君の話聞きたいし、知りたいの。」



直哉君の腰に腕を回してギュッてやると直哉君は少し驚いたように腕を緩める。



「彼女、なんだから、もっと頼ってよ…っ!」




そう、私は彼女。相談とかしてほしいし、愚痴とかでも聞きたい。



「お願いだからっ、隠し事はしないで…っ!」



堪えようとも、出そうともしてない涙が自然にポロポロ頬をつたる。