次の日ーー



「優愛、彼氏さんが来たわよ。」



会う約束なんてしてないのにそんなことを言うお母さん。



「へ、今いく。」



どうかしたのかな?



あんなことがあった次の日だからいろいろ不安だ。



玄関に着くと、



「きゃぁ…!」



いきなり直哉君に抱きしめられる。



玄関のドアはあいてるし、お母さんもいるのにどうしたんだろ?



「く、黒澤君⁉︎ 一旦離れよっか…!」



「……やだ。」



やだ、って、なんか可愛い…っ!



「で、でも黒澤君……」



「呼び方。名前で呼べよ。」



黒澤君にそう言われてハッとする。



「ご、ごめんね、直哉君…」



私もまだ焦ったりすると苗字で呼んじゃうのか。



「別にいいけど。」



直哉君はそう言って私をギュッと強く抱きしめる。