「これが俺が金髪に染めた理由。わかったか?」



「………うん。」



自分のスカートをギュッと握る。



黒澤君の過去は聞いていてとても辛かった。ここで無駄に同情しても黒澤君は嫌だろう。



ジワリと溢れてきそうな涙を必死にこらえる。


ダメだよ、私が泣いたらダメなんだ。



ここでふと、七海ちゃんが休んだとき黒澤君と図書室でお弁当食べたときを思い出す。



あ、だから怒ったんだ。私が家族の話題をしたから……



「ごめん、黒澤君……」



それに金髪に染めるとハゲるよ、なんて言っちゃって…



なにも知らないくせに。バカみたい。