「直哉、父さんもお母さんの言う通りだと思うぞ。てか、親に口答えするな。バカが。

てかな、おまえはもともと望まれて生まれてきたんじゃないんだよ。

父さんもお母さんも出来れば産みたくなかったんだ。

でも周りが産めってうるさいからしょうがなく産んだんだよ。

ここまで育ててもらえたんだ。感謝くらいしろ。」




……望まれて生まれてない?
なにそれ。俺だって望んで生まれてきてねぇんだけど。



その瞬間、俺の中でなにかがキレた。

怒鳴りつけたいところだがここは冷静に対処だ。



「へぇ、そう思ってたんだ。俺だって別に望んでテメェらの家に産まれてきたんじゃねーし。

ま、でも義務教育中はおまえらに育てさせてやるよ。でないとご近所からの評判が悪くなるだろ?」