黒澤 直哉 side



今日の放課後、花咲は図書室に来た。



明らかに俺に話しかけようとしていて正直嬉しかった。



でも、俺は嫌な顔をして図書室を出て行くしかできない。香織と約束したから。



だけどあいつは、



「待って、黒澤君。」



俺を呼び止めた。


いつもより真剣な顔のこいつに少しビビる。


「なに?これから香織とデートだから早くしてくんない?」



そんなことを言っただろう。



こいつとデート、言ったことないな。
こんなことになるんなら言っとけばよかった。


こんなことを思いながら。