「そっか、そんなことがあったんだね。」



よしよしと私の背中をさすってくれたあと、七海ちゃんは口を開いた。



「その香織って人が怪しいんじゃない?
黒澤君は優愛を溺愛してたわけだし……。」



で、溺愛…まわりにはそう見えてたのかな?



「でも私は遊びって……」



「それはさっき聞いたわよ。とりあえず元気だしなさいっても、無理よね…。

もう、今日は帰ったら?キツイでしょ、黒澤君に会うの。」



「う、ん。正直もう無理かも…」



朝だって重い体を起こしてきたんだから。



「私が上手いこと先生に言っとくから帰りなさい。」



優しい七海ちゃんに涙が出てきそうになるも、



「あり、がと……」



ギリギリ涙を堪えて走って家に帰った。