花咲 優愛 side



「おはよう、花咲。」



次の日の朝、黒澤君が迎えにくるとギューッと抱きしめられる。



「へ、黒澤君…?」



戸惑いの声を上げると黒澤君はとても優しく、でも切なく微笑んだ。



「学校、行こうか。」



な、なに?今の顔…。

なんか変だよ、黒澤君……。




「優愛、おはよ。」



学校に着くと七海ちゃんに話しかけられる。



「おはよ、七海ちゃん。」



私が挨拶すると黒澤君が七海ちゃんに話しかけた。



「昼、今日だけ、今日だけだから、こいつと食べさせてくれ。」



不安と悲しみの目の黒澤君。



なんでそんな目するの?



「いいけど…なにかあったの?」



「いや、とくになにも。」



そう言って黒澤君は教室を出て行ってしまった。