紅さんは、今度は眉尻を上げていた。
怒ってるみたいだ。
わたしがあまりにもおっちょこちょいだからだろうか。
そう考えると、胸はズキリと痛む。
もう、誰にも嫌われたくないって、わたしの体が雄弁に語っている……。
無理なのに。
そんなこと、有り得ないのに……。
わたしが生き続けている限り、誰もがみんな、わたしを忌み嫌うのに……。
……苦しい。
わたしは、その悲しみから逃れたくて、紅さんから視線を外した。
「さっきのアレは君の体力まで奪ったのか……」
――え?
てっきり、自分のことを厄介な奴だと思われていると、そう思ったのに、紅さんは違うことを呟いた。
その声は、心なしかどこか冷たい。
『さっきのアレ?』
「紗良ちゃん、アレは君のお父さんではないよ。アレは、そういう悲しい心に付け込んだ魔物の仕業だ……」



