きっとわたしからは恐ろしいほどの異臭が漂っているに違いない!!
「ご、ごめんなさい!!」
わたしは慌てて紅さんの背中にまわした両手を離す。
広い胸板を押しのけた。
「どうしたの?」
紅さんは慌てふためくわたしの姿を見て、眉間に皺を寄せている。
わたしって、女なのにどうしてこうも女子力がないんだろう……。
わたし、最低だ……。
今の今まで自分の状態を把握してなかったなんて!!
常識的なことも考えていなかった。
「臭いですよね。ごめんなさい!!」
「紗良ちゃん?」
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
頭の中は真っ白で、そればっかりになった。
不潔なわたし。
それなのに、紅さんは両手を外してくれなくて、いまだにわたしは彼の腕の中にいる。
異臭を漂わせているのに、紅さんはそうやって優しく包み込んでくれる。
今日初めて会ったとは考えにくいくらいに……。



