美狐はベッドの上で愛をささやく


目尻と眉は下がりきっていて、綺麗な赤茶色の瞳は潤んでいる。

すごく悲しそうな笑顔だった。



……トクン。

トクン。



わたしの耳の側にある紅さんの心音が耳に届く。



……トクン。

トクン。

その優しい心音はまるで、わたしをなぐさめてくれているかのよう……。



「君の心は闇側にとって付け込みやすいものなんだよ。

人間っていうのはね、波動というものを持っているんだ。

波動っていうのは、感情の一種だと思ってもらってかまわないよ。

その感情が体の周りにこびりついているものが波動になるんだ。


楽しい気持ちや明るい気持ちになっていると、波動が引き寄せるモノも『明るい』だとか、『楽しい』モノになるんだ。


だけれどね、悲しい気持ちの波動を持ってしまえば、『暗い』だとか、『悲しい』モノが集まる」



――あ。



そこで、わたしは、やっと紅さんの言いたいことをようやく理解した。