わたしは何を期待していたの?
自分でもあまりの恥ずかしさに顔が熱くなっていくのがわかる。
今度こそ、男の人から顔を逸らして俯ける。
「ご、ごめん……なさい」
あまりの恥ずかしさから、謝罪する語尾は少しずつ小さくなってしまう。
だけど、やっぱり男の人の表情が気になって、目線だけを上げると……。
目は大きく見開き、弧を描く綺麗な唇は半分開いていた。
呆れられてる!!
だけど、それも一瞬のことで、呆気にとられていた男の人の表情は、優しい微笑みへと変化していった。
「お腹がすいたんだね。余りものになるけれど、何か作ろうか」
男の人はそう言うと、腰を上げる。
その時、わたしは今さらながらに自分の体質を思い出した。
だって、わたしは眠っていたのに目の前の人を襲っていないようだ。
それに、お腹がすくなんて今までになかったことだ。



