美狐はベッドの上で愛をささやく


『こっち、こっちだよ』


わたしは女の子が導くまま、ふたたび足を動かした。





…………。


いったいどれくらい歩いただろう。


わたしと同じくらいの背丈の草と、砂利道以外しか見えなかった狭い道。

だけど、進むにつれて、視界がひらけてきた。


緑色の草は消えて、茶色い土ばかりがむき出しになる地面。


その一寸先は……崖。


『こっちだよ、こっち……』


女の子はわたしが歩いている反対側の崖の上に立ち、手招きをする。


『こっち、はやく』

女の子に向かってゆっくり足を運ぶわたしを急かす。




そして、孤独に怯えた臆病なわたしは、導かれるまま進んでいく……。


わたしが死ねば、魂は汚れ、強力な力を持った霊体は、この世界を闇に変えて、誰もを不幸にする。

だから、命を落とすことはいけないこと……。



あんなにみんなのことを思っていたのに、今は、どうでもいいと思っている自分がいた。