『こっち、こっちだよ』
女の子は手招きをして、わたしをどこかに導く……。
わたしはまるで操り人形……。
女の子に誘われるまま、体が動く。
どれくらい進んだだろう。
後ろから、女の子以外の声が聞こえて、立ち止まった。
『どうしたの?』
女の子は弧を描く眉根を寄せて、わたしを見上げた。
わたしの薄汚い灰色の髪が女の子の瞳に映る。
わたしは女の子の問いには答えず、そのまま声がした方へと振り向いた。
そんなわたしの背後には、わたしと背と同じくらいの高さをした、深い緑色の草が茂っている。
ゆっくり近づき、声の主に見つからないよう、深い緑色の草を少しだけかき分けた。
目を凝らして先を見つめると、学校の、茶色い制服を着たふたりの男の子と女の子がいた。
「あ~、今日も学校あんのかよ。ダリ~」
「ちょっと、だらしないわね。そんなだから、いつまでたっても先生に怒られるのよ? ちょっとは真面目に授業受けな?」



