紅さんの片手でわたしの両手はひとつにまとめられ、頭の上に固定されてしまった。
長いまつげに覆われた、赤茶色の目が近づいてくる……。
な……に?
「んっ!!」
わたしの唇は、紅さんの唇によって塞がれてしまった。
「んっ……んんっ!!」
やめて。
こんな……こんなキスやめて……。
こういうキスをされると、わたしの気持ちがグラついてしまう。
体を捩(ヨジ)ってなんとか紅さんから逃れようとするのに、手が固定されてうまく逃げることができない。
抵抗すればするほど、口角を変えられ、重なり合った唇はより深く交わっていく……。
やだ。
だめ、こんなのダメだよ!!
「ん……やっ……」
わたしは紅さんから逃れるために顔を逸(ソ)らした。
……ひどい。
ひどい。
紅さんはひどい。
こんなに好きにさせて、どうやって紅さんから離れればいいというの?



