美狐はベッドの上で愛をささやく


だから、わたしは帰ってきたんだと、実感した。

いつの間にか意識を失っていたらしい。


いったいどれくらいの間、気を失っていたのだろう。


そうだ、真赭(マスホ)さんと生成(キナリ)さんは、あれからどうなったのかな。

この部屋を見渡しても、他に人の気配がない。


「紅さん、真赭さんは? 生成さんは?」


「ふたりとも無事だよ。家に帰った」




そっか……よかった。


ホッとして顔を俯(ウツム)けると、そこで、思い出したのは、わたしが傷つけた腹部を、倉橋さんも傷つけたっていうこと。


紅さんの傷は?


悪化していたとしたら、それはわたしのせいだ。


どうしようっ!!



「紅さん、ああ、どうしよう。怪我は? わたし……なんていうことを……」

鏡を見なくても、顔面蒼白しているのが自分でもよくわかる。


俯いている視線の先には紅さんの体にしっかりと巻かれてある包帯が見えた。