美狐はベッドの上で愛をささやく


わたしは女の子の声に導かれるようにして、椅子から腰を上げた。





……お父さんはいなくなった。


……わたしはひとりぼっち。



わたしは心の中で何回もそのことを繰り返す。



わたしの足はひとりでに階段を下りて、その先にある玄関の戸口を開ける。


太陽の真っ白い光がわたしを照らした。


いつもなら、太陽の光は眩しさを感じさせるけれど、今日は何も感じない。




わたしは素足のまま、砂利道へと出て行く……。



そうすると目の前に見えたのは、わたしの腰あたりの背をした、黒髪の少女だ。

年齢は小学3年生くらいだろうか。


血のように赤いワンピースを着ている女の子の顔は青白く、だけど、昨夜見た時のように、血は飛び散っていない。


女の子の目は大きくて、ちょこんと真ん中に乗っている鼻は愛らしい。

表情は微笑みはしないけれど、怒ってもいないように感じる。


無表情そのものだった。