だけどたしかに、その光は落ちてきた。
やがてわたしの体は、光を吸収する……。
「……杏子」
立ちはだかるわたしを見た倉橋さんは、たしかにそう言った。
わたしに届くまであと数センチというところで、大鎌が止まる。
何が起こっているの?
そっと目を開ければ、彼の――倉橋さんの言葉が、わたしの身に何が起こったのかを説明してくれた。
杏子さん……?
慌てて気配を探ってみる。
だけど、彼女の気配を感じない。
それでも、ほんの一瞬だけ感じ取ることができたさっきの光は――。
倉橋さんが言ったとおり、きっと、杏子さんの魂。
それはほんの少しの間だけれど、わたしの中に、亡くなった杏子さんの霊体が降りたんだ……。
わたしは俯(ウツム)けていた顔を上げ、大鎌を持った人物を見据(ミス)えた。
そこにいたのは、漆黒のローブに身を包んだ、死神の姿をした彼ではなく――――。



