美狐はベッドの上で愛をささやく


ネズミよりもずっと大きいものによる音だ。




この音は知っている。

昔、嫌というほどわたしが聞いていた音……。




わたしは背筋が凍っていくのを感じながら、何も感じていないふうを装って、身動きひとつしなかった。


恐怖を感じていると、知られてはいけない。

知られれば、『彼ら』はさらにわたしを追い込んでくるから……。


でも、何も感じないふりをしていても結果は同じ。

さらなる恐怖をわたしに与えてくるから……。


つまり、わたしはどうにも出来ないんだ。



だけど、『彼ら』に恐怖していると知られたくない。



だから、さっき白くなってきた空が、やがて青くなりつつある空を、わたしは一心で見つめていた。




そうすると、天井からの物音は大きくなる。




ガタガタガタガタガタ……。

はじめは小さな物音は、地震の時みたいに大きく震える音になっていった。