美狐はベッドの上で愛をささやく


……どうしよう。

わたしは、どうすれば……。



「紗良を苦しめた人間を助けるのはわたしの本意ではないが……。仕方ないな……」


考え込むわたしの思考を、紅さんが途切れさせた。

紅さんは、魂を失くしたわたしの体を隅に置き、倉橋さんと彼女さんの間に立った。



やがて紅さんの体から流れ出た輝く宝石のような光が壁のように広がる。


真紅色のルビーやオブシディアンのような綺麗な光――。


その光は、以前、蜘蛛の霊体と戦った時に見たものと同じもの……。


紅さんの妖力だ。




彼女さんから発せられる透明な霊気が、紅さんの妖力で創った壁と衝突する。

でも、紅さんは蜘蛛の霊体の時と同じように攻撃はしない。

ただ壁を創り、彼女さんからの攻撃を防いでいるだけだった。



それは、魂としてのわたしが彼女の体内にあるからだと、自惚(ウヌボ)れてもいいのかな。