――わたしの魂は今、『わたし』という人格を残してここに存在している。
そして、女性の魂は鎖に絡み取られている。
彼女の体はわたしの魂が入っても甦(ヨミガエ)らない。
倉橋さんは紅さんから背を向けていて、どうやっても、ふたりが戦っているようには見えない。
だけど倉橋さんは怪我をしていて……誰かに傷つけられている。
だったら、この状況は……。
「紗良、聞こえるかい?」
「……っつ!!」
紅さん!!
『どこから』なんてわからない。
だけど、紅さんの声がわたしの頭の中に響いた。
「紅さん、紅さん!!」
わたしは体を前に倒し、鎖があるのも忘れて、紅さんへと近づこうとする。
だけど、わたしの両足を縛っている鎖は行動範囲を縮めるだけだ。
ジャラ……。
鎖は鈍い音を立て、わたしが動けないっていうことを教えられる。



