誰かの悲鳴が聞こえた。
この声は、倉橋さんだ。
『外』ではいったい何が起こっているんだろう。
わたしはさらに、意識を研(ト)ぎ澄ます。
すると、見えてきたのは、目の前でうずくまり、右の太腿(フトモモ)から真っ赤な血を流している倉橋さんの姿だ。
…………なに?
どうして?
どうして倉橋さんが血を流しているの?
もしかして、もしかして倉橋さんは紅さんと戦っているの?
いやな予感がして、紅さんの方へと意識を向けた。
紅さんは、魂がないわたしの体を抱きしめ、こちら側を睨(ニラ)んでいる。
こちら側っていうのは、もちろんわたしが魂をあげた人物。
倉橋さんの大切な女性のこと……。
もう少し状況を理解したくて、今度は全体を見てみると、悲鳴を上げている倉橋さんはわたしの体を抱きしめている紅さんから背中を向けていた。
――――どういうこと?



